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前回お約束した唾液腺マッサージと
口の周囲の筋肉(口腔周囲筋)ストレッチのうち、
今回は唾液腺マッサージについてご説明いたします。
嚥下体操(えんげたいそう)という言葉をご存知ですか?
口の周囲の筋肉を動かすための体操で、
「話す」「食べる」「飲み込む」などの機能に大きく関係してきます。
高齢者の方でも比較的お元気で自立度が高い方であれば、
ご自分で行う嚥下体操の方法をご説明して、
食事の前などに行ってもらいますが、
Aさんの場合は自立度が低く、嚥下体操の指導を試みても難しかったため、
こちらで働きかける方法をとっています。
その第一アプローチとして「唾液腺マッサージ」を行うのですが、
なぜ唾液腺マッサージが必要なのか、
唾液の働きも含めてもう一度確認してみましょう。
唾液には私たちの体を守るための素晴らしい力があります。
●湿潤作用(乾燥を防ぎ、咀嚼、嚥下を助ける)
●消化作用(アミラーゼによりデンプンを溶かす)
●抗菌作用(リゾチームなどにより口腔内細菌叢をコントロール)
●排泄作用(有害物質を希釈無害化する)
●ミネラル(カルシウムイオン、リン酸イオン)の供給源
●自浄作用(洗い流し作用)
●緩衝作用(歯垢の中の酸を中和する能力)
先回も書きましたが、加齢とともに唾液の量が減るうえに、
常用する薬の副作用などによりさらに唾液が少なくなるため、
様々な問題が生じてきます。
少しでも唾液の出を良くする為に働きかける必要があるのです。
では具体的な方法について述べていきたいと思います。
これは私がAさんに対して行っている方法で、
どの方にも同じように行っているわけではありません。
他にも様々な方法がありますので一つの例とお考えください。
【唾液腺マッサージの手順1】
唾液腺マッサージに入る前に一声かける。
肩をもみながらリラックスしてもらいます。
コミュニケーションは大切です。いきなり顔や首を触られれば
誰だって不快に思います。その前段階として、お話をしながら
肩や腕に触れて手の感触に慣れてもらいます。
この部分にどのくらいの時間をかけるかは、
患者様の様子を見て判断してください。
初回は拒絶されることもありますし、肩や腕に触れるまでに
数回の訪問が必要なこともあります。
あせらないことです。

【唾液腺マッサージの手順2】
頭の後ろから首の後ろにかけてゆっくり押しながらマッサージ。
このあたりの筋肉が緊張すると首がやや後ろに傾く格好になり、
スムーズな摂食や嚥下ができなくなります。
時間の目安は30秒〜1分程です。

【唾液腺マッサージの手順3】
上の奥歯あたり(耳の前)から頬にかけてマッサージ。
後ろから前に向かって円を描くように力強くマッサージをします。
耳の近くにある唾液腺(耳下腺)からさらさらした唾液がでてきます。
時間の目安は30秒程です。

【唾液腺マッサージの手順4】
指を顎の骨の内側の軟らかい部分にあて、耳の下から顎の下にかけて押す。
耳の下から顎の先にかけて、指の位置を少しずつずらしながら、
奥(耳の下)・真ん中・手前(顎先)と、3回ほどに分けてください。
顎の下にある唾液腺(顎下腺)から沢山の唾液がでてきます。
1ヶ所をゆっくりと5秒ずつ押していきます。

唾液腺の刺激がうまくいけば口の中は唾液で満たされ、
自然とゴックンと唾液を飲み込む様子を確認することができるはずです。
ある程度強く押すことが必要ですが、痛がらないように様子を見ながら進めましょう。
次回は、この続きの「口腔周囲筋の運動(ストレッチ)」のご説明をいたします。
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【唾液腺マッサージの方法を印刷用資料として1枚にまとめました(PDF)】

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